【62】毒親と絶縁するまでの話
入院の話
考えを見つめなおすことができた
入院当初は食事だけではなく、点滴にも拒否反応を示していました。
泣いて暴れたり、点滴を抜こうとしたり、看護師さんには本当にご迷惑をおかけしてしまいました。
ただ入院生活中は携帯電話の持ち込みが出来なかった為、親からの電話で心が乱されることがなかったのはよかったのかなと思います。
その入院中、とにかく思いつくまま生まれてから当時までの出来事を書いたメモを医師に診てもらったことがあります。そのメモを読んだ医師が言ったのが「ユズさんは虐待を受けていた」でした。
私の中で虐待と言えば、ニュースに取り上げられるような酷い暴力や育児放棄のことだという考えがあり、自分がそうだったなどとは微塵も思っておらず、むしろ環境的に恵まれていると考えていたので衝撃的でした。
それでも医師は「お母さんはちょっと他人の気持ちがわからないのかなという印象を受けます」「この出来事も悲しかったでしょう」などとひとつひとつ丁寧に、その時の気持ちを確認するように促してくれました。
すると自分の中に『悲しかった』『辛かった』という気持ちがあったことに気づき、「それらの感情は間違っていない」「ユズさんは悪くない」と医師に言われたことで、身体の中に溜まっていた重苦しい何かが少しずつ流れ出したような気がしました。
その後、少しずつではありますが口から栄養が摂れるようになり、次第に少量の食事も食べられるようになっていきました。
この入院した病院にたどり着くまではなかなか合う病院がなく、いくつも病院を探し回り、中にはやっと診察を受けられても医師の言葉で逆に傷つくといった経験もありました。
なのでこの担当してくださった医師には本当に感謝していますし、入院期間中に自分の考えを見つめなおすことができたのはとても貴重で必要な時間だったのかなと思います。
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